鹿児島の夏は暑い。高校生の時、暑いのにクーラーの設置もない教室で、私たちは学んだ。
数学の時間、私は “暑いなー” と思いながら窓側をふと見ると、Mさんがカーテンを引っ張るのが見えた。私は “あー、日差しが余計に暑いよねー” と思いながら見ていると、Mさんの後ろの席のKさんがMさんが引いたカーテンを思いっきり引っ張った。弾みでMさんのカーテンがずれてしまい、またMさんに日差しが当たってしまった。私は “Kさん、カーテン引っ張りすぎだよ” と思いつつ、眺めていると、Mさんがまたカーテンを引っ張る気配がなかった。私は “あれ?暑いのになんでだろう?もしかしてMさんとKさんは仲が悪いの?” と思った。
そしてふと隣の席のさっちゃんを見ると、同じ方向を見ている。“もしかして、いまのやり取り見てたかな?あの二人、仲が悪いのかな” と、話しかけたくなったが、数学の授業中、会話は出来ない。ふと、さっちゃんが私の視線に気が付いて、私は何か話した気な顔をした。それが変だったのか、さっちゃんが笑い、私も声を出して笑ってしまった。
数学の先生が、「何を笑ってるんだ?」と、聞いてくるので、よそ見してましたとは言えず、「何でもないです」と言うと、先生は「何かあったから笑ってるんだろう?」と、私は怒られてしまった。
後で友達から、何で笑ったのかを聞かれ、その一部始終を話すと、「先生に、私たちは風が吹いてもおかしいお年頃」って言っとくよ」と、言われた。
私は「箸が転がってもおかしい年頃」ではなく、「風が吹いてもおかしい年頃」が大人になるまで正解だと勘違いしていた。
ねぇ、先生、知ってる? 女子高生が授業中にふと考えることって大したことじゃないよ。
私の興味は、数学の方程式を解くことじゃなく、人間関係の問題を解くことだった。

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